概要:
コアラ、カンガルー、カモノハシ、エミューに代表されるように、 地理的隔離と気候の多様性が生んだ生態系は非常に個性的です。オーストラリアの哺乳動物は、そのほとんどが有袋類です。お腹に袋を持ち、子供をその中で育てるという他に類を見ない不思議な生態系をもっています。
コアラ(KOALA):コアラとは、アボリジニの言葉で「水を飲まない」を意味しています。ユーカリの葉からの水分だけで生きているというからスゴイやつです。
カンガルー(KANGAROO):走れば時速40km、ジャンプ力はひとっ飛び約10mという力強いさがカンガルーの特徴です。お腹の袋から顔を出す赤ちゃんの姿はとても愛らしく、それを抱えたままピョンピョン跳ねる母親の姿は逞しくも美しいです。
ハリモグラ(ECHIDNA):シドニーオリンピックのマスコットにもなったハリモグラ。有袋類の一種でカモノハシの仲間です。ハリモグラは、夜行性なので昼間は木の根本や岩の下にある巣穴で眠っていることが多いです。
ゴアナ(GOANNA):成長すると体長が2mにもなるオオトカゲです。狙った獲物を捕らえる時の動きは機敏ですが、それ以外はのっそりとして置物のようです。ブッシュの中で野生のゴアナにばったり出くわすこともあります。
ポッサム(POSSUM):リスのようなかわいらしい顔とは反対に、とても逞しいシッポを持っています。夜になると公園などの木にシッポでぶら下がっています。子供を背負って育てます。
クッカバラ(KOOKABURRA):日本ではワライカワセミの名で知られています。大きな顔でゲラゲラと鳴かれると、本当に笑われていると錯覚するほどです。体長は30〜40センチほどと大きく、頭でっかちのユーモラスな姿です。
クロコダイル(CROCODILE):ノーザンテリトリーには体長6mの大物も棲むといわれています。比較的おとなしい淡水のワニもいますが、海水に棲む獰猛なワニは餌を手に入れるためにジャンプします。
カモノハシ(PLATYPUS):カモノハシはオーストラリアにしか生息しない単孔類(たんこうるい)という哺乳動物です。単孔類とは排泄器官と生殖器官が一緒になった生物で、哺乳類であるにもかかわらず、子供を卵で産んで温め、卵がかえって産まれたらミルクで育てます。カンガルー同様、おなかには袋があり、卵の温めや授乳は袋の中で行います。
クオッカ(QUOKKA):ワラビーよりも更に小さな有袋類です。カンガルーやワラビーのように後ろ足で立ち上がることができますが、全体に丸っこくてネズミが大きくなったような動物です。オーストラリア本土でも生息が確認されていますが、ウエスタン・オーストラリアの
ロットネスト島がクオッカの生息地として有名です。
ウォンバット(WOMBAT):体長1メートル、小型のクマのような風貌です。足が短くずんぐりしていて顔はコアラに似ています。ウォンバットは生物学上コアラと同じ仲間です。木の上で進化したのがコアラ、地上で進化したのがウォンバットといわれています。もちろんおなかに袋を持つ有袋類です。キョトンとした愛敬のある顔で近頃人気急上昇です。どっしりとした体で無心に穴を掘る姿は、ほのぼのとした哀愁がただよっています。
ディンゴ(DINGO):アボリジニがインドネシア方面からオーストラリアへ渡ってきたのが今から約8000年前とされています。その際にアボリジニの人々が一緒に連れてきた動物といわれています。オーストラリア特有の進化は見られず、日本の犬のような風貌をしています。現在は犬との交種が進み、純血のディンゴはほとんどいません。
肉食で少々凶暴な性格を持ち、野生動物や家畜を襲うことがあるのであまり好かれない存在です。飼いならすとかなり従順で普通の犬と変わらないと言われていますが、野生のディンゴは人間を襲うこともあります。
タスマニアン・デビル(Tasmanian Devil):オーストラリアには珍しい肉食の動物で、野生動物も鳥も魚も、何でもハイエナのように食べつくすことからタスマニアン・デビル(タスマニアの悪魔)と呼ばれるようになりました。もちろん有袋類の仲間で、子育てをする袋を持っています。体長は50〜60センチと小柄で、小型のクマのような印象。毛は黒色ですが、白いブチのあるものもいます。タスマニアに生息していますが、野生のものを見るのは難しくなってきています。
アイビス(IBIS):正式名称はオーストラリアン・ホワイト・アイビス。アイビスはトキの仲間です。長い首をしなやかにのばし、頭とお尻が黒色で背中は白色というコントラストが美しい鳥です。体長は70〜80センチほどで、大きな羽根を広げて飛ぶ姿は鶴をも思わせます。夜になると仲間で集まって木の上で眠っている様子もまた風流です。
エリマキトカゲ(Frilled Neck Lizard):爬虫類でトカゲの仲間のエリマキトカゲ。相手を威嚇する際や求愛の際には普段折りたたんでいる首のまわりのフリルを広げてアピールします。そして威嚇しても相手のほうが強そうだとわかると、2本足で立ち上がってガニマタですたこら走り去る姿がなんともユーモラスな生き物です。ノーザン・テリトリーなどのアウトバックに生息していますが、簡単には見かけません。
エミュー(Emu):体長が最大で2メートルもある、鳥類の中ではダチョウについで2番目に大きい鳥です。空を飛ぶことはできませんが、足が速く時速40キロメートルで疾走することができます。体は長い羽根に覆われており、薄汚れたモップのような風貌をしています。エミューの卵はダチョウの卵と同じくらい大型で、1度に7〜20個も産みます。殻は濃い緑色をしています。
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